スカイ・クロラ

機動警察パトレイバー、攻殻機動隊、イノセンスなどのヒットメイカー、押井守監督のアニメ映画、2008年度作品です。
のっぺりとして無機質な印象を受ける独特なタッチのキャラクター。
淡々と進む暗いストーリー。好みが別れる作品かと思いますが不思議と観ていて心地よい感じもします。
どこか冷めている主人公の若いパイロットの男。ミステリアスなヒロインの女上官。
この二人の絡みをメインにストーリーは進んでいます。
彼らは年を取らない特殊な存在であり外見上はいつまでも少年、少女であり続けます。
そしてショーとしての戦争で戦う事を義務付けられています。
レトロ感漂うプロペラ機で戦う主人公、命は懸かっているのだけど人々の娯楽の為のショーとしての戦争なので戦いに熱さは感じられません。
年を取らない彼らは戦争で死なない限り、若い姿のまま永遠に生き続ける事になります。この永遠に生き続ける苦しみというものが、この作品の最大のテーマだと思われます。
ヒロインは永遠に生き続ける事に絶望しています。
これは永遠に続くとも感じる平坦な毎日を繰り返す現実社会の苦しみと同義なのだと思います。
しかし、主人公はそれでも生きるべきなのだと説きます。平坦と思える生活でも実は変化はある、それを感じて生きていけばいいじゃないか、というのです。
押井守監督が一番伝えたかった事はこれでしょう。もうひとつの作品のテーマとして大人になる事、親を越えていく事というものがあります。
親を越え真の大人となるとはどういう事なのか。平坦で退屈な人生の中でいかに生きる意味を見出だすのか。そんな事を考えさせられる映画でした。